株式会社ハタナカ昭和

日高三岩かんらん岩

北海道の背骨をなして1億5000万年 〜希少性、可能性が光る~

石に触れるとき、人は手のひらに地球を感じます。重く、硬く、頑丈な石は、地球そのものであり、知恵をもって利用することにより、かけがえのない貴重な資源となります。

石の中でも特に重く、硬く、頑丈なかんらん岩は、まさに地球の大いなる想像力の結晶。地球誕生の秘話、生命誕生のロマンにもつながる「かんらん石」は、はやぶさ1,2の快挙と共に脚光を浴びています。数々の特長を有し高品質を誇る「日高三岩かんらん岩」は、いま、宝石と評される品格をもって、修景護岸、製鉄業、建設業、肥料業など、さまざまな分野で幅広く役立てられています。

かんらん岩写真

産地

北海道の背骨をなして稚内から様似に連なる雄々しい山脈。日高かんらん岩を採取する岩内岳(963m)は、日高山脈に連なる夕張山地の南方に位置しています。
一帯には大規模なかんらん岩および蛇紋岩の分布が見られ、マンガン鉱やクロムなどの有価金属や石灰岩も含まれているところから、鉱業資源の宝庫として、かねてより強い関心が寄せられてきました。
岩内岳は、1億5000万年以上前と推定されるマグマの隆起塊で、蛇紋岩化をまぬがれた地質学的にも稀な良質かんらん岩(ダナイトハルツバーシャイト)が母岩をなしており、当社は標高500mから900mに至る岩塊露呈地において原石を採取しています。

東西約2.5km、南北約2kmにわたる良質かんらん岩の母岩体は、きわめて大きな資源量を秘めており、さらに苫小牧港に近いといった地理的条件も備えています。

特長

日高三岩かんらん岩は、地下30kmからさらに深部にあるマグマが高圧条件下で非常にゆっくりと温度低下してできた岩石で、鉱物やガラス質が結晶化し組み合わさってできています。古来より宝石として珍重されてきたかんらん岩は、特有の光沢のある黒緑色をしており、美的にも大変優れています。したがって、石材資源に求められる、重量、硬度、低吸水性、美しさの全てを兼ね備えた三岩かんらん岩は、質が重視される今日、評価が高まっています。
特に化学組成Al2O3の低さが製鉄用造滓材としての優位性を証明しています。可採埋蔵量は現在の表層のみで2,100万トン、岩内岳全体では4億トンの調査結果があり、安定的な採掘が可能です。
当採掘場で採取される日高三岩かんらん岩は、酸化マグネシウム含有量が非常に高く、主に日本製鉄株式会社の製鉄所へ原料として出荷されています。他には含有成分の特長から肥料用原料、近年ではJAXA(宇宙航空研究開発機構)で小惑星研究用模擬土壌としても活用されるなど、幅広い用途で使用されております。

化学組成

分析値例
MgO SiO2 AI2O3 Fe2O3 CaO Ig.loss
47.10 40.36 0.39 10.02 0.42 1.33

割石試験値(JIS A 5006)

比重が3.2から3.3、吸水率0.01と、重く、硬く、変質しにくい特性の為、重量コンクリート用骨材、港湾海岸整備事業、ダム建設工事等に広く採用されております。

分析値例
比重(g/cm3) 吸水率(%) 圧縮強度(N/cm2
3.27 0.01 11,182

物理的性質

代表的な他の骨材との比較

かんらん岩性質図

用途

重く硬く丈夫で美しい日高三岩かんらん岩は、環境に優しく暮らしに潤いと安心をもたらします。
採掘されたかんらん岩は、製造プラントにて破砕・整粒された後、主に日本製鉄株式会社各製鉄所に海送・陸送で出荷しており、製鉄プロセスの造滓材として、高炉操業に大きく貢献しております。その他にも、鉄道用バラスト・ダム用コンクリート用骨材・公共事業用割石・河川や海岸の修景護岸工事など幅広い用途に活用されております。

製鉄用造滓(ぞうさい)材 ~豊富なMgO成分を活用~

かんらん岩は、鉄鉱石を溶解する際の造滓材として使用。日本製鉄の全国製鉄所へ粉砕したかんらん岩が大量に出荷されております。

製鉄用造滓材写真

被覆石

海岸線や河川の浸食防止のための被覆材として、その重量と自然石の表情が注目されています。写真は、苫小牧~白老間の海岸線侵食防止工事で、かんらん岩(2~4t/ヶ)による緩傾斜護岸工法により、海辺は、魚介類と人間のオアシスに変化してきました。護岸治水という条件を満たしながら、その表情は自然で豊かに。かんらん岩の巨石等で護岸された札幌・山鼻川~豊平川の河床と河岸。
水量の変化に耐え、流水に清涼感を生み出す緑黒色の自然石は、都会空間に潤いと安らぎを演出します。

被覆石写真

護岸

治水という条件を満たしながら、その表情は自然で豊かに。かんらん岩の巨石等で護岸された札幌・山鼻川~豊平川の河床と河岸。
水量の変化に耐え、流水に清涼感を生み出す緑黒色の自然石は、都会空間に潤いと安らぎを演出します。

護岸写真

建築石材

節理が発達したかんらん岩は、壁材など建築材としての魅力を持っています。
左の写真はダムサイトの管理事務所に壁材として使用したもの。
天候により建物の色調も変化し、重厚感と自然の温かみが景観と調和します。

建築石材写真

景観製品

外柵石の他、園名碑・ベンチ・スツールなどがあります。

景観製品写真

写真は外柵石

巨石 ~国内で一番重い岩石 比重3.2~

水量の増減が著しい河川の護岸を、かんらん岩の巨石を使い、より造形的に表情豊かに演出。岩石の野性味は景観によりナチュラルなイメージを濃く与え、その重量は激流にも耐え、安心感を与えてくれます。

巨石写真

写真は吉野川(徳島県) 4トン石(自然石)護岸工事

コンクリート用 細・粗骨材

高比重で、硬度もワンランク上のかんらん岩の細・粗骨材は、重量コンクリートの製造など、多くの可能性を持つ注目製品です。

コンクリート用 細・粗骨材写真

写真は80トン型枠で87.5トンの重量を実現しています

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